「お墓」について考えた秋のこと

秋のお彼岸に、実家のお墓参りに行ってきました。
毎年この時期になると、両親と一緒に先祖のお墓を掃除して、 お花を供えるのが恒例になっています。

今年も例年通り、墓石を磨いて、周りの草を抜いて、 お線香をあげてきました。
帰りの車の中で、母がふとこんなことを言いました。

「私たちがいなくなったら、このお墓はどうなるのかしらね」

お墓の継承という問題

母の言葉に、私は言葉に詰まりました。
私には兄弟がいますが、みな実家から遠く離れた場所に住んでいます。
正直なところ、今のお墓を将来にわたって 管理し続けられるかどうか、自信がありません。

介護の仕事をしていた頃、利用者さんやそのご家族から お墓の話を聞くことがありました。
「子どもたちに負担をかけたくない」
「遠くに住んでいるから、なかなかお墓参りにも来られない」
そんな悩みを抱えている方は、少なくありませんでした。

変わりゆく供養のかたち

最近は、従来のお墓以外にも、さまざまな供養の方法があるようです。
樹木葬や納骨堂、永代供養など、 後を継ぐ人がいなくても安心できる選択肢が増えていると聞きます。

中でも最近知ったのが、海への散骨という方法です。
故人の遺灰を海に撒いて供養するもので、 お墓を持たないという選択をする方もいるそうです。

私は広島に住んでいるので、瀬戸内海が身近にあります。
調べてみると、広島でも海洋散骨を行っているところがあるようで、 こちらのサイトを 見かけました。
瀬戸内海の穏やかな海で散骨ができるとのことで、 海が好きだった方にとっては、一つの選択肢になるのかもしれません。

答えは出ていないけれど

正直なところ、私自身の考えはまだまとまっていません。
先祖代々のお墓を守りたいという気持ちもあれば、 子どもたちに負担をかけたくないという気持ちもあります。

でも、こうして考えること自体が大切なのかもしれません。
いずれ来る「その時」のために、 少しずつ家族と話し合っておくべきなのでしょう。

介護の仕事を通じて、人生の終わりについて考える機会は多くありました。
でも、いざ自分のこと、家族のこととなると、 なかなか向き合えないものですね。

秋の風が少し冷たくなってきました。
今度帰省したときに、両親とゆっくり話してみようと思います。

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